NECは2010年10月5日、製造業の設計開発業務を支援するPLM(製品ライフサイクル管理)ソフト最新版「Obbligato III」の販売を開始した。NECは、従来のパッケージソフトに加えて、2011年以降にPLMソリューションのクラウドサービス提供も開始する。

 Obligatto IIIは、部品管理やコスト管理、設計変更管理などの標準機能を備える。これらの機能をSOA(サービス指向アーキテクチャー)化し、複数の機能の間で柔軟に連携できるようにした。また、新たにマイクロソフトのRIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)技術である「WPF(Windows Presentation Foundation)」に対応。RIAクライアントアプリケーションを使うことで、操作性の向上を図った。

 提供形態として、クラウドサービスを新たに追加する。2011年3月から、NECの共通IT基盤サービス「RIACUBE」を使った個別対応型クラウドを、2011年中にはSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を提供する予定。SaaSの利用では、ハードやソフトを構築・運用する必要がなくなり、自社構築に比べてTCO(総所有コスト)を2~3割削減できるという。「機能によっては、自社で構築するものとクラウドで使いたいものがある。それらを柔軟に組み合わせたハイブリッド型の使い方が可能」と、平野文康 製造・装置業ソリューション事業本部長は説明する。SaaSの価格は100ユーザーで月額約100万円を計画している。

 NECは3年間で150社に販売し、国内PLM市場でシェア40%を目指す。150社の内訳は、自社構築が80社、個別対応型クラウドが20社、SaaSが50社である。