総務省のグローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース(ICTタスクフォース)「国際競争力検討部会」(通称第3部会)は2010年10月5日、第5回会合を開催した。5月の政策決定プラットフォームにおける中間取りまとめ以来となる今回の会合では、中間取りまとめで示した基本的な考えや具体的プロジェクトを踏まえ、実現に向けた工程表を含む最終報告書案を取りまとめた。また第3部会の下に設置した「国際標準化戦略に関する検討チーム」の取りまとめ案も併せて公表した。

 最終報告書案では、重点戦略分野として、(1)スマートグリッドやスマートメーターの推進などを目指す「ICTグリーンプロジェクト」、(2)地デジや次世代ネットワークの国際展開などを目指す「次世代社会インフラシステムの国際展開」、(3)ICTの人材育成などを目指す「デジタルネイティブ世代のパワー等を活かした新事業創出支援」、(4)コンテンツ事業の創出などを図る「デジタルコンテンツ創富力の強化」、(5)ICTの利活用が遅れている医療、教育、農業の分野でのクラウド普及などを目指す「スマート・クラウド戦略」の5分野をピックアップ。それぞれの項目ごとに、2020年度までに達成すべき詳細な工程表を示した。また各重点戦略分野ごとに、来年度の概算要求として予算を要求している点も報告した。

 国際標準化の検討チームの取りまとめ案では、国際標準化を決定する場が、ITU(国際電気通信連合)のような「デジュール」機関から、W3Cのような民間の多様な「フォーラム」に変化しつつあることを指摘。現在、ITU-TやITU-Rに設置されるSG(Study Group)に沿って委員会を設けている総務省の情報通信審議会の再編を図るべきとした。また「次世代ブラウザ」「デジタルサイネージ」「3Dテレビ」「ホームネットワーク分野」「クラウド」の5分野を重点分野として戦略的に取り組む方針を示し、今後も産学官共同で標準化戦略を検討する場を設置するとした。

ICTタスクフォース 国際競争力検討部会第5回会合資料