ルクセンブルクのSkype Technologiesは現地時間2010年10月4日、同社最高経営責任者(CEO)に米Cisco Systems上級副社長のTony Bates氏を任命したと発表した。10月末に就任する予定で、Skype取締役会にも加わる。

 Bates氏は、直近でCiscoの企業向け部門のジェネラルマネージャーを務め、世界で1万2500人の社員を指揮し、年収200億ドル超の事業を統括した。また、米Google傘下のYouTube、オンラインビデオ会議サービスの米TokBox、音声ブログサービスの米BubbleMotionなどの社外取締役も務めている。

 現CEOであるJosh Silverman氏は、2005年にSkypeを買収した米eBayの元幹部で、2008年に同職に就いた(関連記事:eBay、Skypeの次期CEOにShopping.comのJosh Silverman氏を起用)。eBayはSkypeを獲得したものの期待したシナジー効果が得られないことから、昨年、投資会社の米Silver Lakeを中心とする投資家グループにSkype株式の約65%を売却している(関連記事:eBay、投資家グループにSkypeの65%を売却へ)。

 Skypeでは、Silverman氏の退任後、10月末までは最高財務および管理責任者のAdrian Dillon氏が暫定CEOを務める。なおSkypeは今年8月に、新規株式公開(IPO)の申請書類を米証券取引委員会(SEC)に提出している。

 米メディアの報道(Wall Street Journal)によるとBates氏は、Ciscoの次期CEO候補と目されていた人物。Ciscoでは、最高技術責任者(CTO)のPadmasree Warrior氏がBates氏の職務を引き継ぐという。

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