「GeoJapanesis」の作者 名古屋市立向陽高校 河田智明氏のプレゼン
「GeoJapanesis」の作者 名古屋市立向陽高校 河田智明氏のプレゼン
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地図ビューワー「GeoJapanesis」
地図ビューワー「GeoJapanesis」
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「PICエミュレータ PiQ」の作者 岡山工業高校 石岡匠也氏のプレゼン
「PICエミュレータ PiQ」の作者 岡山工業高校 石岡匠也氏のプレゼン
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「擬似言語シミュレータ SARA」の作者のひとり、三村聡志氏のプレゼン
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U-20プログラミング・コンテスト実行委員のまつもとゆきひろ氏
U-20プログラミング・コンテスト実行委員のまつもとゆきひろ氏
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 「第31回U-20プログラミング・コンテスト(U-20プロコン)」の最終審査会が2010年10月1日、東京都内で開催された。全国から応募された95作品の中から選ばれた10作品の作者がプレゼン。審査の結果、最優秀賞である経済産業大臣賞に地図ビューワー「GeoJapanesis」、「PICエミュレータ PiQ」、「擬似言語シミュレータ SARA」の3作品が選出された。

 「U-20プログラミング・コンテスト」は、20歳以下を対象とするコンテスト。経済産業省や文部科学省、総務省、財務省、国土交通省などが共同で開催する情報化月間推進会議が主催している。尚美学園大学芸術情報学部教授 小泉力一氏が実行委員長、Rubyの作者まつもとゆきひろ氏や、特定非営利活動法人 フリーソフトウェアイニシアティブ(FSIJ)理事長のg新部裕氏、楽天の吉岡弘隆氏、サイボウズ・ラボの竹迫良範氏、WideStudio/MWTの作者である富士通の平林俊一氏、NTTデータの宮本久仁男氏らが実行委員を務める。

 「GeoJapanesis」は名古屋市立向陽高等学校 普通科2年 河田智明氏の作品。複数の縮尺の地図を組み合わせてスムーズに拡大・縮小できるソフトウエアだ。地図情報をローカルに持つことで、オフラインでも利用できる。地図データは国土地理院の基盤地図情報を利用している。ディスク容量を節約するため、地図データを再帰的に4分割し、陸地のある部分のデータを持つアルゴリズムを考案した。最終目的はiPod Touchで動作させることだという。

 「PICエミュレータ PiQ」は岡山工業高等学校 情報技術科2年 石岡匠也氏の作品。制御用ICトレーニングボード「PIC」をエミュレートするソフトウエアである。書き込まれたプログラムを実行すると、LEDが光るなどの動作を行う。同校で、実際に生徒が利用し好評を得ている。

 「擬似言語シミュレータ SARA」は三村聡志氏と武田優也氏が千葉県立東金商業高等学校在学中に開発した。情報技術者試験で出題される擬似言語の理解を支援するソフトウエアだ。擬似言語を実行するだけでなく、フローチャートとして表示できる。C#やC++への出力も可能。例題や解説、練習問題も付属している。

 審査会ではまつもとゆきひろ氏が講演した。まつもと氏は「現代の社会はITがなければ1日たりとも立ち行かない。そのITを動かしているのはプログラマ」と、プログラマという仕事の重要さを説く。また「プログラミングは自由をもたらす。バグのあるソフトウエアを自分で直せる、自分が欲しいと思うものを自分で作り出せる」と、プログラミングの楽しさを後輩たちに語りかけた。

 最終審査会に勝ち残った、経済産業大臣賞の以外の7作品が経済産業省商務情報政策局長賞を受賞した。

・KNOWALL LIBRARY 2.0
 3次元グラフィックス・物理演算ライブラリ
 京都コンピュータ学院 2回生 米山哲平氏

・カーレース
 レースゲーム
 愛知県高浜市立高浜中学校 2年 木下拓己氏

・Vis-LiTer
 堀川高等学校講堂舞台照明シミュレータ
 京都市立堀川高等学校 自然探究科3年 下村祥生氏

・スクリーンキーボードエディタ
 ソフトウエアキーボード作成ツール
 城県工業高等学校 情報技術科3年 笹木信吾氏

・FAL(深谷エアライン)システム
 航空券販売Webアプリケーション
 深谷商業高等学校 専攻科情報システム2年 FALチーム

・TreisPyles
 ゲートボールゲーム
 新潟コンピュータ専門学校 ゲームクリエーター科2年 Endless NEET's

・ULO (Unidentified Launch Object)
 アプリケーションラウンチャー
 新潟コンピュータ専門学校 システム科2年 my.t

■変更履歴
公開当初、第2段落で「フリーソフトウエアイニシアティブ」とあったのは「フリーソフトウェアイニシアティブ」、第5段落末尾で「練習問題も付属し、。」とあったのは「練習問題も付属している。」のそれぞれ誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。また第2段落で、情報化月間推進会議の共同主催者として文部科学省を重複して列挙していた個所を修正しました。 [2010/10/04 21:55]