写真●署名を片山総務大臣に提出するソフトバンクの孫代表取締役社長
写真●署名を片山総務大臣に提出するソフトバンクの孫代表取締役社長
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 ソフトバンクは、「光の道」構想に関する同社提案に対するNTTグループの反論を受けて10月中にも再反論する。同社の孫正義代表取締役社長が、2010年9月29日に片山善博総務大臣と面会した後のぶら下がり取材で答えた。

 ソフトバンクは総務省のICTタスクフォースが行った事業者ヒアリングの場で、「公費不要で月額1400円のFTTHサービスを提供可能」とする提案を示していた。これに対してNTTグループは2010年8月31日、「メタルアクセスのマイグレーションに関するNTTグループの考え方」をICTタスクフォースに提出し、ソフトバンクの試算が現実的でないと、具体的な数字をあげて反論していた。

 NTTグループの反論に対して孫社長は「ようやく具体的な数字を使って議論できるようになってきた」と評価した。その上で、「NTTが反論であげた試算にはこれまで公開されていなかった内容が含まれており、その通りと思われる項目もいくつかあった。しかし非効率的な部分はまだ残っていると感じている。具体的な数字を持って、来月中に再反論したい」とコメントした。

 NTTが過小に見積もっていると反論したインフラ整備にかかるコストやサービス価格については、NTTの反論で新たに明らかとなった要素を盛り込んで、再検討している最中だという。現時点での見通しとして、「インフラ整備のコストは当初提案していた2.5兆円よりも増えそうだが、月額料金は1400円で提供できるのではないか」と述べた。

 10月にどういう形で再反論するかについては未定としながらも、「オープンな場で、国民参加型の議論を行うべき」という従来の主張を繰り返した。

 なお孫社長は同日、2010年8月26日から募集を行っている「『光の道』構想に関する国民参加型の議論の実現を求める署名」の名簿(9月27日時点の署名数3万3907件)を片山総務大臣に提出した(写真)。

■変更履歴
総務大臣との面会に関する部分を追記し、写真を追加しました。 [2010/09/29 19:30]