米Amazon.comは現地時間2010年9月28日、同社が販売する電子書籍コンテンツをWebブラウザー上で試し読みできる「Kindle for the Web」(ベータ版)を始めたと発表した。同社サイトの個々の書籍タイトルページにある「Read first chapter FREE」ボタンをクリックするとブラウザーの新しいウインドウが開き、書籍の一部をサンプル表示する。

 Amazonの電子書籍端末「Kindle」や、同端末向けコンテンツを利用できる専用アプリケーションと同じく、フォントサイズや行間などを自由に変更できる。試し読みした後は画面右上の「Get Kindle Edition」ボタンを押してAmazonの書籍販売ページに移動し、そのまま購入、ダウンロード手続きが行えるという仕組みだ。

 また、画面には埋め込みコードを用意しており、ユーザーはこれを自分のWebサイトやブログページなどに張り付けて書籍を紹介できる。同社のアフィリエイト「Amazon Associates Program」とも連携しており、同プログラムに参加しているユーザーは購入に応じて報酬が得られる。Amazonは、すでにKindle for the Webを導入している作者のWebサイトを紹介している。

 「ユーザーにとってはアプリケーションをダウンロードしたりインストールする必要がなくなり便利になる。ブロガーや作者にとっては素晴らしいプロモーションツールになる」と同社Kindle部門担当のDorothy Nichollsディレクターは説明している。

 画面にはこのほか「共有」ボタンも用意する。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のFacebookやミニブログのTwitterに投稿したり、電子メールを送信したりして、書籍を知人などに知らせることができる。

 なお、Kindle for the Webは最新のWeb標準技術に対応しているとAmazonは説明しており、Webブラウザーは「Firefox 3.6」「Safari 5」「Chrome 5」を推奨している。試し読みできる範囲は出版社や版権所有者と今後協議を続け、拡大していきたいとしている。

Kindle for the Webサンプル

[発表資料]
[Kindle for the Webのデモページ]