米AOLは米国時間2010年9月28日、IT分野のブログネットワーク「TechCrunch」を運営する米TechCrunchを買収することで両社が合意したと発表した。AOLは、TechCrunchのブログサイトのほか、IT情報、ニュース、分析を専門とする他のWebサイトも取得する。
Michael Arrington氏が2005年に立ち上げたTechCrunchは、欧州から日本にわたる世界中で「MobileCrunch」「CrunchGear」「TechCrunchIT」「GreenTech」「TechCrunchTV」「CrunchBase」などのサイトを展開している。買収完了後、TechCrunchはAOL Technology Network部門の傘下となるが、本社を引き続きサンフランシスコに置き、独立して編集を行う。
AOL Technology Network部門は、民生電子機器やガジェット関連の情報サイト「Engadget」をはじめ、「Switched」「TUAW」「DownloadSquad」などを運営している。AOLはTechCrunch買収により、「消費者に高品質で信頼性の高いオリジナルのコンテンツを発信、作成、提供するグローバルリーダーとしての地位確立を目指す」としている。
AOL会長兼最高経営責任者(CEO)のTim Armstrong氏は、「Arrington氏と彼の仲間は、TechCrunchネットワークを技術ニュースの代名詞に押し上げた。トップクラスのジャーナリズムとして評価を得ており、視聴者に重要な専門的コンテンツを提供するというAOLの取り組みにまさに合致している」と述べた。
TechCrunchのCEO、Heather Harde氏は、「TechCrunchとAOLは、品質の高い技術ニュースと情報の提供を目指すという熱意を共有している。AOLファミリーの一部になることを嬉しく思う」とコメントしている。
同買収に関する支払い条件については明らかにしていないが、買収額は2500万ドル以上とする関係者の情報を米メディア(New York Times)は報じている。
またAOLは同日、ビデオ配給大手の米5min Mediaとソーシャル・ソフトウエア・ベンダーの米Thing Labsを買収したことも発表した。いずれも買収金額は明らかにしなかった。