グーグルの及川卓也シニアエンジニアリングマネージャー
グーグルの及川卓也シニアエンジニアリングマネージャー
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スライド内、左上のウインドウが「Chrome Web Store」のイメージ、左下のウインドウがインストールされたWebアプリケーションが新しいタブに一覧表示されるイメージ
スライド内、左上のウインドウが「Chrome Web Store」のイメージ、左下のウインドウがインストールされたWebアプリケーションが新しいタブに一覧表示されるイメージ
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 グーグルは2010年9月28日、開発者向けイベント「Google Developer Day 2010」を開催するのに伴い、記者会見を実施した。会見では、開発中のWebアプリケーション配信サービス「Chrome Web Store」の概要や狙いを説明した。

 Chrome Web Storeは、Webブラウザー上で動くWebアプリケーションを販売、配信するサービス。2010年8月から、開発者向けのプレビュー版のみ公開している。

 記者会見に登壇したグーグルの及川卓也シニアエンジニアリングマネージャーは、Webアプリケーションが乗り越えるべき課題として「見つけやすさ」「再アクセスのしやすさ」「マネタイゼーション」の3つを提示。販売店に並ぶパッケージソフトに比べ、インターネット上に散在するWebアプリケーションは見つけにくいこと、インストール後はアイコンをクリックすれば起動するソフトに比べると、Webアプリケーションはサイトへのアクセスが必要で面倒なこと、ソフトウエアへの課金方法が十分整備されておらず、開発者が収益を上げにくいことを指摘した。

 その上で、及川氏は「これらの課題を解決するために、Chrome Web Storeを立ち上げる」と説明。具体的には、現在、Chrome向けに提供している拡張機能ギャラリーを拡張したようなサービスにするという。ユーザーは、Chrome Web Storeで使いたいWebアプリケーションを検索。無料ソフトはそのまま、有料ソフトは購入手続きをしてから「インストール」ボタンをクリックすると、ブラウザーからWebアプリケーションが使えるようになる。有料ソフトの課金システムはグーグルの「Google Checkout」などを使用する予定だ。

 配信するWebアプリケーションとChrome、Googleアカウントの親和性も高める。ChromeにインストールしたWebアプリケーションは、「新しいタブ」にアイコンで一覧表示。各アイコンをクリックすると、そのWebアプリケーションにアクセスできるようにする。また、Webアプリケーションをインストールしたパソコンからでなくても、Chromeを使い、Googleアカウントでログインすれば、これらのWebアプリケーションが使えるようにする計画だ。

 一般ユーザーへの公開時期は未定だが、「現在の開発者向けプレビュー版を一般ユーザーに徐々に広げていく形にしたい」(及川氏)という。