企業の会計基準の調査・研究などを手がける財務会計基準機構(FASF)は2010年9月28日、企業の単体財務諸表の取り扱いについて議論するための「単体財務諸表に関する検討会議」を設置すると発表した。個々の会計基準ごとに関係者の意見を聞き、単体財務諸表に対するIFRS(国際会計基準)の影響を議論する。

 検討会議はFASFのほか、日本公認会計士協会や日本経済団体連合会といった団体や民間企業の経営層など13人で構成。オブザーバーとして金融庁や法務省、経済産業省、企業の会計基準を決定している企業会計基準委員会(ASBJ)が参加する。

 現在、日本では、日本の会計基準とIFRSとの差異を埋める取り組みであるコンバージェンス(収れん)を進めている。コンバージェンスは、連結財務諸表に先行して適用することになっているため、単体財務諸表の取り扱いが明確に決まっていなかった。2010年8月に開催した金融庁の企業会計審議会で、単体財務諸表の取り扱いの検討をFASFが支援することが提案されていた。