米司法省は現地時間2010年9月24日、米国の大手IT関連企業6社が従業員の引き抜きを禁止する協定を結んでいたとしてコロンビア地区裁判所に提訴したことを明らかにした。訴えられたのは、Apple、Google、Intel、Adobe Systems、Intuit、Walt Disneyの映画制作会社Pixar Animation Studios。6社はすでに協定を解除することで司法省と和解しており、裁判所が和解案を認めれば訴訟は終了する。

 同省によると、6社は互いの企業の有能な人材を勧誘しないよう取り決めていた。ハイテク分野では高度な技術や専門的能力を持つ従業員の需要が高く、企業は一般的に勧誘電話という形で他社の従業員に直接連絡して人材を獲得する。6社は上級管理職クラスでこの勧誘電話を行わないように取り決めていた。

 AppleとGoogle、AppleとAdobe、AppleとPixar、GoogleとIntel、GoogleとIntuitの間で協定が結ばれていた。いずれも勧誘電話禁止名簿を作成しており、相手先に直接連絡して勧誘しないよう自社の従業員に指示していた。米メディア(New York Times)によると、司法省はこれらの協定が競争を阻害すると懸念し、1年にわたって調査していた。

 提出した和解案は裁判所に承認された後、5年間有効となる。司法省の訴状では問題を勧誘電話禁止協定に限定していたが、和解案では、あらゆる形式の勧誘、採用、人材獲得競争について協定を結ぶことを禁じている。

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