米連邦通信委員会(FCC)は米国時間2010年9月23日、米国の地上デジタルテレビ放送で使用しない周波数帯(いわゆる「ホワイトスペース」)の開放に関する新たな規則を承認したと発表した。これにより、ホワイトスペース使用の法的・技術的問題を解決し、新たな無線技術の実現に向けて前進するとしている。

 ホワイトスペースは、地上アナログテレビ放送で確保していた空き帯域のこと。デジタル放送では電波干渉を軽減できるため、確保する必要性がなくなった。これを免許不要の電波としてモバイル機器で利用できるようにするという動きが、ホワイトスペースの開放である。

 FCCは2008年11月に、ホワイトスペースを無線ブロードバンドサービス用としてライセンスなしで利用可能にすることを決定した。これを受け、ホワイトスペース開放に取り組んできた米Google、米Dell、米Hewlett-Packard、米Microsoft、米Motorolaなどは2009年2月、ホワイトスペース利用のためのデータベース構築を目的とする団体「White Spaces Database Group」を設立した。

 今回、FCCが承認した第2回覚書意見および指令(MO&O:Memorandum Opinion and Order)では、位置情報通知機能とデータベースアクセス機能を組み込んだホワイトスペース用デバイスが、テレビや無線マイクなどの信号の検知機能を搭載しなければならないという義務を排除する。また、ホワイトスペースの利用により既存サービスが電波干渉を受けないようにする目的で、空いている二つのUHFチャンネルは、全米で無線マイクなどの低電力デバイスに充てる。

[発表資料(PDF文書)]