米Google傘下の動画共有サイトYouTubeが十分な著作権保護措置をとっていないとして、スペインのテレビ局Telecincoが違法コンテンツの削除などを求めていた訴訟で、マドリードの裁判所は現地時間2010年9月23日、テレビ局側の訴えを退けた。

 Googleは同日付の公式ブログで「インターネットの勝利だ」との声明を出し、「違法コンテンツを確認するのは著作権保持者の責任であり、YouTubeの責任ではないことを示した判断だ」と説明している。

 欧米のメディアによれば、Telecincoはこれを受けて即日控訴した。同局は裁判所が著作権保護の必要性やその緊急性を認めたという判断に満足していると話しており、今後もコンテンツ保護に向けて戦っていくという。

 Googleは、YouTubeがサービスをホスティングする企業であり、放送局のようなメディア企業ではないことを強調している。米メディア(New York Times)によると、デジタルコンテンツの著作権訴訟においてはこの違いが重要になってくる。欧州でも米国のデジタルミレニアム著作権法(DMCA)と同様に保護規定があるからだ。これにより、ホスティング企業はコンテンツに対する責任の一部を免除される(関連記事:GoogleとYouTube、著作権侵害訴訟でViacomに勝訴

 Googleはこの違いを明確にしたうえで、ホスティング企業として著作権管理ツール「Content ID」を開発するなど、最大限の努力をしていると主張している(関連記事:Warner Music Group、YouTubeへのコンテンツ提供を再開へ)。また、YouTubeには毎分24時間分の動画が投稿されており、もしすべての動画や写真、テキストを投稿前に検閲することが義務づけられれば、YouTubeだけでなく、FacebookやTwitter、MySpace.comといったサイトは、すべてサービス停止に追い込まれるとも説明している。

[Google公式ブログへの投稿記事]