KDDI研究所は、屋内測位技術IMES(indoor Messaging system)とエリアワンセグとを連携し、IMESから得られた情報をもとに屋内の場所に応じて異なるチャンネルを自動選局する技術を開発した。IEMSは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が考案した屋内測位技術で、GPSと同じ周波数および形式の信号を使用し、メッセージを復号することで位置を識別することを可能とする。

 エリアワンセグの課題として、選局の複雑さが度々指摘されている。これまで、視聴する際にはワンセグ視聴アプリケーションの起動して当該エリアのチャネルの手動設定やチャネルスキャンする、QRコードなどの読み取り操作によるチャネル設定誘導、FeliCaの利用など様々な手法が実験で利用されている。

 KDDI研究所は、屋内測位技術の一つであるIMESを外部信号として利用して、エリアワンセグを自動選局する技術を開発した。具体的には、エリアワンセグのチャネル情報を含むIMES信号を移動機が受信し復号すると、IMESメッセージの中からチャネル情報を取り出す。この情報の抽出をきっかけにして、移動機のワンセグ視聴アプリケーションを自動起動し、指定されるチャネルに自動選局する仕組みを開発し、移動機に実装した。

 これにより移動機を携えたユーザは、場所ごとに異なるワンセグチャネルを自動選局してコンテンツ視聴することができる。例えばビル内や地下街などの屋内において、隣接する店舗が配信する異なる広告を視聴するといった使い方が可能となる。

 今回開発した技術は、2010年9月19日~21日にパシフィコ横浜(横浜市西区)で開催される「G 空間EXPO」で展示する。

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