米Microsoftは現地時間2010年9月15日、次期Webブラウザー「Internet Explorer(IE)9 」のベータ版を公開した。ユーザーインタフェースを簡素化し、全般的に処理速度の向上を図った。専用サイト「BeautyoftheWeb.com」から無償でダウンロードできる。同サイトでは、既にIE9に対応した70以上の主要サイトを紹介している。

 IE9では、画像やテキストのレンダリングを、従来のようにCPUではなくGPUで計算するようにした。合わせて新たなJavaScriptエンジンの採用などにより、Webページの表示速度を高めた。

 これまでアドレスバーと別に設けていた検索ボックスを廃止し、URLなどのアドレスと検索キーワードを1カ所で入力できるようにした。セキュリティやプライバシ保護についても強化を図っている。同社は、「Webブラウザーは劇場だ。舞台の主役であるWebサイトやアプリケーションの良さを十分に引き出せるように設計した」としている。

 HTML5や、SVG、CSS3といった最新のWeb標準規格をサポートするほか、同社のOS「Windows 7」との連携を強化した。Windows 7のタスクバーにお気に入りサイトを直接登録できる「Pinned Sites」機能を備えた。

 また、電子メールの送信や、楽曲の再生、最新ニュースの確認など頻繁に実行する操作にすぐにアクセスできる「Jump Lists」機能や、タブを切り離して別のウインドウでサイトを開き直し、二つのサイトを並べて表示する「Aero Snap」機能などを追加した。

 米Net Applicationsがまとめたブラウザー市場に関する調査結果によると、IEのシェアは約2年前の74%から60%に縮小している。一方、「Firefox」は19%から23%に、「Chrome」は1.1%から7.5%に、「Safari」は2.8%から5.2%へと、それぞれシェアを拡大している(米Businessweekの報道)。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]