写真1●セキュリティ機能を搭載したL2スイッチ「SGシリーズ」
写真1●セキュリティ機能を搭載したL2スイッチ「SGシリーズ」
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 ネットワールドは2010年9月16日、韓国Handreamnetと国内総代理店契約を締結し、独自のセキュリティ機能を搭載したレイヤー2(L2)スイッチ「SGシリーズ」の販売を開始したと発表した。

 SGシリーズの特徴は、Handreamnetが独自開発したASICベースのセキュリティチップを搭載し、企業ネットワーク内でのウイルスの活動を抑制できること。改ざんされたWebページにユーザーがアクセスすることなどでパソコンに侵入したウイルスは一般に、社内ネットワークを介して他のパソコンに感染を広げようとする。SGシリーズは、こうしたウイルスの感染活動に特徴的な通信を自動的に検知し、遮断する。

 具体的には、他のパソコンに対するスキャニング、DoS/DDoS攻撃、SYNフラッド攻撃、IPスプーフィング、MAC/ARPスプーフィング、MACフラッド攻撃などを自動検知できる。こうしたウイルスに特徴的な感染活動を検知してブロックするため、「ウイルスのパターンファイルがまだない状態や、セキュリティパッチが提供される前のゼロデイ攻撃でも感染の拡大を抑制できる」(ネットワールド ビジネスプロモーション部 ビジネス開発グループ 吉田尚樹グループマネージャー)。

 1台目のパソコンにウイルスが侵入することは防げない。ただし、標準で提供される監視ツール「Visual Node Manager」を使うことにより、「どのスイッチのどのポートで異常な通信を検知したかをビジュアル的に把握できるので、ウイルスに感染したパソコンをすぐに見つけられる」(ネットワールド ネットワーク&セキュリティ技術部 セキュリティソリューショングループ 鈴木隆幸課長)。Visual Node Managerの動作環境は、Windows XP/Vista/Server 2003。

 また、こうしたウイルスの活動検知機能は専用のセキュリティチップ上で行うため、「L2スイッチのスイッチング性能にはまったく影響しない」(鈴木課長)という。

 製品ラインアップは、100Mイーサネットを24ポートとギガビットイーサネット(GbE)を2ポート備える「SG2024」、SG2024をPoE(Power over Ethernet)対応にした「SG2024PoE」、GbEを24ポート備える「SG2024G」、GbEを48ポート備える「SG2048G」の4モデル。参考価格はそれぞれ、28万4000円、39万8000円、48万円、66万5000円(いずれも税別)。このほか、レイヤー3(L3)スイッチや国内で需要の高い8ポート版L2スイッチの販売も計画しているという。

 Handreamnetは、韓国内ではL2スイッチ市場の約30%を握るネットワークセキュリティ機器ベンダー。2009年3月に日本支社を立ち上げ、販売代理店4社を通じて製品を国内に提供していた。今回、日本法人のハンドリームネットを新たに設立するとともにネットワールドと総代理店契約を締結し、日本市場での拡販を狙う。

 ネットワールドの森田晶一代表取締役社長は、「自社にもSGシリーズを15台(600ポート)を導入済み。(この製品で)約1500億円のスイッチ市場の1%を取りたい」との意気込みを見せた。

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