連結会計ソフトの開発・販売を手がけるディーバは2010年9月2日、グループ企業のデータ収集を支援するソフト「DivaSystem GEXSUS(ジェクサス)」を発表した。グループ各社の会計ソフトから仕訳データを収集し、グループ全体の総勘定元帳の作成に利用する。

 「グループの各社が導入している個別の会計システムと、連結財務諸表を作成するための連結会計システムの間をつなぐ役割を果たす」と森川徹治社長は説明する。複数の会計基準に基づいた元帳や財務諸表を生成できる機能を備えており、IFRS(国際会計基準)対応作業を効率化できる。出荷は12月から。

 森川社長は「グループの会計システムを統一しなくても、子会社からIFRSに基づいた会計データを収集できることが、GEXSUSを利用するメリット」と話す。グループ各社が日本の会計基準を採用している場合、親会社が各子会社の会計データをGEXSUSを通じて収集する。IFRSに基づいた財務諸表を親会社が作成する際に、データが不足している場合は、子会社が別途、GEXSUSに入力する。これらの作業を通じて、IFRSに基づいたグループ総勘定元帳を作成する。

 子会社がIFRS以外の会計基準を利用している場合、GEXSUSを使わないと「親会社がIFRSに基づいた財務諸表に組み替えてから連結決算処理をしなければならないので、親会社の負担が非常に重くなる」とビジネスソリューション本部の玉村健 事業企画担当部長は説明する。一方、組み替え作業をなくすために「IFRSに関連する子会社のシステムを修整するのは、コストが非常に高くなる」(玉村事業企画担当部長)とみる。

 GEXSUSを導入すると、「親会社が子会社の仕訳データを把握できるようになるため、経営管理の高度化にもつながる」(ビジネスソリューション本部の岡部貴弘GEXSUS推進部長)メリットもあるという。ディーバの主力製品である連結会計ソフト「DivaSystem」を単体で利用する場合は仕訳データではなく、グループ子会社が作成した財務諸表の数値を利用するため、親会社はサマリーのデータしか入手できなかった。

 子会社の会計システムが持つデータは、GEXSUSにバンドルしているETL(抽出・加工・転送)ツールを利用して収集する。手作業で入力することも可能だ。「主要なERPパッケージに対応したコネクタも用意する計画」(玉村事業企画担当部長)という。エス・エス・ジェイの「SuperStream」や、オービックビジネスコンサルタントの「勘定奉行」など、子会社で利用するケースが多い国産の5製品のコネクタをオプションとして用意する。

 GEXSUSの導入費用は4000万~2億円程度。期間は「グループ子会社の会計システムの統一の度合いやグループ会社数によって変わる」(岡部GEXSUS推進部長)が、半年から1年程度。ディーバは既存顧客である622社のうち10%程度の企業に向けてGEXSUSの導入を見込む。10~20社の新規顧客の獲得も目指すという。