写真●北京で協業を発表するNECの藤吉幸博副社長(左)と東軟の王勇峰総裁(右)
写真●北京で協業を発表するNECの藤吉幸博副社長(左)と東軟の王勇峰総裁(右)
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 NECは2010年8月31日、クラウド事業で中国IT大手の東軟集団と協業すると発表した(写真)。NECと東軟は10月をメドに、中国・大連市に合弁会社「日電東軟信息技術」を設立。日電東軟は、東軟が保有するデータセンターを基盤に、NECと東軟の商用アプリケーションやハードウエアリソースをサービス形態で提供する。「3~4年後をメドに、100億円事業に育てる」(NECの三輪徹海外営業ビジネスユニット支配人)。

 中国に進出する日系企業や欧米企業はもとより、中国現地企業も顧客対象に据える。サービス内容としては、ワークフローやCRM(顧客関係管理)、生産管理といったアプリケーションに加え、アプリケーション開発環境やホスティングなどの基盤部分も含む。アプリケーションについては、NECや東軟だけでなく、そのほかのIT企業が保有する製品もラインアップに加え、サービスとして売り出す。

 NECは、東軟との協業をクラウド事業の世界展開の第一弾と位置付ける。「今後は、北米や南米、欧州、アジア太平洋地域に順次クラウドサービスを展開していく。サービス展開に際しては今回の東軟と同様、各地域の有力ベンダーと手を組み、顧客の開拓に努める。すでに、中国以外の地域でもクラウド事業での協業に向けた協議を進めている」(三輪支配人)。

 日電東軟の資本金は6億5000万円。NEC中国が70%、東軟の100%子会社である瀋陽東軟信息技術服務が30%を出資する。当初、従業員数は70人を予定する。日電東軟は3年後をメドに、従業員数を200人に増やす計画だ。董事長はNEC側から出す予定である。

■変更履歴
写真および最終段落に董事長についての記述を追加しました。 [2010/08/31 21:50]