写真1●個人向けウイルス対策ソフトの新版「ウイルスバスター2011 クラウド」のパッケージ
写真1●個人向けウイルス対策ソフトの新版「ウイルスバスター2011 クラウド」のパッケージ
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写真2●新機能「データ消去ツール」の画面
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 トレンドマイクロは2010年8月31日、個人向けウイルス対策ソフトの新版「ウイルスバスター2011 クラウド」(写真1)を発表した。同社の個人向け製品としては初めて、オンライン上のデータベースを参照してウイルスを検出する「スマートスキャン」機能を実装。製品名に「クラウド」の名称を付加した。パターンファイルの80%をパソコンからクラウドへ移行することで、パソコンへの負荷を軽減したという。

 新機能のスマートスキャンは、同社が世界5カ所のデータセンターで運営するセキュリティネットワーク「スマートプロテクションネットワーク」を利用して、ファイルレピュテーションを行うもの。パソコンに保存されたシグネチャで安全性を判定できなかったファイルに対して、スマートプロテクションネットワークのデータベースを参照してパターンマッチングを行う。

 「オンラインデータベースを参照する際は診断対象ファイルのハッシュ値のみを送信するため、ネットワークにそれほど負荷はかからない」(同社 マーケティング本部 プロダクトマネジメント課 プロダクトマネージャの長島理恵氏)。

 スマートスキャンの実装により、パソコンが保持するパターンファイルのデータ量が80%減り、ソフト起動時の負荷が低減した。長島氏は、「4年くらい前に発売された古いパソコンでも快適に利用できる」とアピールする。

 同社の調査によると、メモリー512MバイトでCeleron M 370(1.50GHz)プロセッサ搭載のWindows XPパソコンを用いて、旧版の「ウイルスバスター2010」と新版の起動時間を比較した結果、旧版では平均2分6秒かかっていたものが新版では平均1分4秒と起動時間がほぼ半減したという。

 そのほか、ウイルスの侵入経路を分析する「ローカル相関分析」、Javaスクリプトを分析して危険なWebサイトへのアクセスをブロックする「ブラウザガード」、パソコンのデータを安全に消去する「データ消去ツール」(写真2)などの新機能が追加された。

 価格はダウンロード1年版が4980円、パッケージ1年版が5980円。ダウンロード版を8月31日に、パッケージ版を9月3日に発売する。また、既存ユーザーの無料バージョンアップ対応や無料のトライアル版の配布も8月31日から実施する。