米IntelとドイツInfineon Technologiesはそれぞれ現地時間2010年8月30日、IntelがInfineonの無線事業を買収することで両社が最終合意に達したと発表した。Intelは約14億ドルを現金で支払う。手続きは2011年第1四半期に完了する見通し。
InfineonのWireless Solutions(WLS)事業はスマートフォンと低価格携帯電話市場に強く、ベースバンドプロセッサ、RFトランシーバー、電力管理IC、シングルチップ製品や通信システムソフトウエアを手がけている。WLSの2009会計年度(2008年10月~2009年9月)の年間売上高は9億1700万ユーロで、Infineonの総売上高の約30%を占めた。
Intelは買収後もWLSを独立事業として維持し、既存顧客に対してARMベース製品などの提供を継続する。また、WLSによって自社の既存資産を拡充し、モバイルおよび組み込み事業の顧客と市場拡大を目指す。Intel製アプリケーションプロセッサと広範な無線機能を組み合わせた低電力のIntelベースのプラットフォームの提供が可能になり、第4世代(4G)LTE導入促進への道を示すことができるとしている。
Intel社長兼最高経営責任者(CEO)のPaul Otellini氏は「WLS買収により、当社の第2の戦略的柱であるインターネット接続を強化し、Wi-Fi、第3世代(3G)通信、WiMAX、LTEなど各種無線分野の製品提供を実現する。より多くのデバイスがインターネットにアクセスするようになるなか、ノートパソコンや携帯電話だけでなくあらゆるコンピューティング分野における将来的成長に備える」と述べた。
一方、InfineonのCEO、Peter Bauer氏は「WLSの売却は、当社の価値を強化するための戦略的決断だ。今後はリソースを自動車関連事業やチップカードおよびセキュリティ事業などに集中する」と語った。
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