マルチメディア放送(mmbi)は2010年8月27日、2010年9月3日に開催される「207.5MHz以上222MHz以下の周波数を使用する特定基地局の開設計画に係る公開説明会」(電波監理審議会の要請に基づき、総務省が開催)におけるメディアフロージャパン企画への質問事項を公開した。

 質問内容は大きく「開設計画の確実性及び委託放送事業の事業性」と「米Qualcomm製MediaFLO対応チップセットを使用する場合の懸念点」の2点から構成される。このうち、前者では例えば、仮にメディアフロージャパン企画が受託放送事業者に認定された場合に国内市場での実績が証明されない限り対応の考えはないことをNTTドコモが表明していることを取り上げて「ドコモやソフトバンクの端末も見込んでいる開設計画の数値から、対応端末数は大きく乖離するのではないか」と疑問を示している。

 後者では、「MediaFLO方式のライセンス契約条件に、公正取引委員会から拘束条件付取引として排除措置命令を受けたものと同様のNAP条項(特許非係争条項)が含まれる場合、端末メーカーの研究開発モチベーションを阻害し、結果として競争力を失わせることになるのではないかと考えられる。その点について見解を示してほしい」などとしている。

 なお、2010年7月22日に行われた公開説明会において、日本の公正取引委員会が米クアルコムに対してCDMA技術に関連して「拘束条件付取引に該当する」として2009年9月に排除措置命令を行ったことをmmbi陣営が取り上げた(関連記事)。このとき、クアルコムジャパンの山田純代表取締役社長兼会長は「我々は異議を申し立てており現在審判中である。公正取引委員会の排除命令は確定しているものではない。NAP条項は、各メーカーとの個別の交渉をフェアアンドリーズナブルに行った末に残っているケースもある」とクアルコム陣営としては違法行為は全くないという立場であることを説明した。MediaFLOについて個別交渉の結果NAP条項が入るケースはあり得るのかというNTTドコモ側の問いに対しては、「個別交渉の結果、当事者間が合意すればありうると私は思っている」と山田社長は述べていた。

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