写真●マイクロストラテジー・ジャパン プレジデントの印藤公洋氏
写真●マイクロストラテジー・ジャパン プレジデントの印藤公洋氏
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 マイクロストラテジー・ジャパンは2010年8月26日、モバイル端末用のBI(ビジネスインテリジェンス)ツールに関する説明会を開催。7月に発売したiPhone/iPad/BlackBerry/Kindle DX対応BIツール「MicroStrategy Mobile」の機能と日本市場での展開状況を説明した。

 MicroStrategy Mobileは、DWH(データウエアハウス)や業務システムのデータベースに保存されているビジネスデータから作成したダッシュボードとレポートを、モバイル端末に表示するツール。データの抽出と分析を行うBIサーバー「MicroStrategy Intelligence Server」と組み合わせて使用する。すでにMicroStrategy Intelligence Serverを設置している場合は、そのままモバイル用システムに利用できる。

 モバイル端末としてiPhone、iPad、BlackBerry、Kindle DXに対応する。端末に専用アプリケーションをインストールすることで、MicroStrategy Intelligence Serverが作成したダッシュボードとレポートを端末に最適な形で表示する。

 同社 プレジデントの印藤公洋氏(写真)は、「モバイルBIツールは、従来のパソコン用BIでは実装が難しかったいくつかの機能を簡単に実現できる」と話す。例えば、モバイル端末が搭載するGPS機能を使えば、店舗の位置情報と売り上げ情報を同時に表示するレポートを作成したり、店舗と倉庫の位置関係から仕入れのリードタイムを予測することが可能になる。加えて、iPhoneやiPadが備えるタッチ操作メニューを使えば、BI固有の複雑な表示切り替え操作を直観的に行えるようになるという。

 MicroStrategy Mobileの日本市場での展開状況について、印藤氏は「1カ月間の販促活動の結果、5社から引き合いがあった。発売後1年で20~30社に導入できるだろう」とみる。ただし、モバイルBIの導入が本格化するのは2012年以降になる見通しだという。「国内でiPadを全社導入している企業は少なく、2010~11年はモバイルBIの試験的採用にとどまるのではないか」と印藤氏は話す。

 モバイルBIの導入を推進するための施策として、同社はMicroStrategy Mobileのライセンスを25ユーザー分まで無償で提供する(26ユーザー以上は、1ユーザーあたり7万5000円)。マイクロストラテジー・ジャパンのSEを有償(10日間150万円)で派遣して、既存のBIレポートアプリをモバイル対応させる開発支援サービスも提供する。