SAS Institute Japanは2010年8月24日、金融機関向け新ソフト「IFRS金融商品会計ソリューション」を9月1日から提供すると発表した。日本で早ければ2015年度に強制適用するとみられるIFRS(国際会計基準)に基づく分類から測定、仕訳、連結/開示までの一連の会計処理やリスクマネジメントを支援するシステム構築を可能にする。
IFRS金融商品会計ソリューションが対象とするのは、IFRS第9号(金融商品)が規定する金融商品会計である。従来の日本基準と比べて、金融商品分類が変更になる、新たな減損会計が適用されるなどの違いがある。同ソフトを使うことで、IFRS第9号に基づく処理を実行するシステムを構築できる。
SAS Institute Japanの富田達也ビジネス開発本部RIグループ部長は「要件の変更に柔軟に対応できることが大きな特徴」と話す。「IFRSは現在進行形の基準であり、固まっていない部分が多い。今後要件が変更になっても容易に対応できるシステムを作ることが重要だ」(富田部長)。
例えば、金融商品を分類するためのルールをGUIを使って変更できる。「プログラミングは必要ないので、システムの知識がない人でも容易に使える」(富田部長)。金融商品の評価手法である償却原価法についても、「使用するリスク推定モデルのテンプレートを提供し、モデルを変更する場合もGUIを使って作業できる」(同)とする。