2010年8月14日から21日まで、カナダのウォータールー大学で開催された「第22回国際情報オリンピック カナダ大会」で、日本選手全4人のうち2人が金メダル、2人が銀メダルを獲得した。合計得点による国別順位は米国、中国、ロシアに次ぐ4位で、日本代表としては昨年の3位に次ぐ好成績を収めた(関連記事)。
国際情報オリンピックは、高校生以下を対象とする5つの国際科学オリンピックの一つ。与えられた問題を解くアルゴリズムを考えてプログラムを作成し、優劣を競う。全選手中上位12分の1の選手には金メダル,金メダルに続く上位6分の1の選手には銀メダル、銀メダルに続く上位4分の1の選手には銅メダルが与えられる。
今回の国際情報オリンピックに参加した日本選手は、今西 健介さん(八千代松陰高等学校2年生)、原 将己さん(筑波大学附属駒場高等学校2年生)、村井 翔悟さん(開成高等学校1年生)、山下 洋史さん(灘高等学校3年生)の4人。2日間の競技の結果、原さんと村井さんが金メダル、今西さんと山下さんが銀メダルを獲得した。全参加者80カ国300人中の順位は、村井さんが9位、原さんが16位、今西さんが51位、山下さんが62位である(今西さんと山下さんは暫定順位)。
国際情報オリンピックでは2日間の競技で、全部で8つの課題が出題される。昨年まではいずれの課題も、決まった答えをいかに短時間で出力できるかを競うものだったが、今回は、どれだけ良い答えを出せるかを競う新しいタイプの課題が2つ出題された。具体的には、Wikipediaの記事がどの国の言葉で書かれているかを判別するアルゴリズム/プログラムを作る課題と、ある条件に沿ってできるだけ深い迷路を出力する課題である。
日本代表団の団長を務めた日本大学文理学部教授の谷聖一氏は「選手は全員初参加であり、しかも新しいタイプの課題が出題されることから、どうなるか心配だったが、結果的に素晴らしい成績を収めてくれた。新しいタイプの問題にも、日本選手はうまく対応できた」と語る。