米Hewlett-Packard(HP)は米国時間2010年8月19日、2010会計年度第3四半期(2010年5~7月)の決算を発表した。純利益が17億7000万ドル(1株当たり利益0.75ドル)となり、前年同期の16億7000万ドル(同0.69ドル)から6.1%増加した。売上高は307億ドルで同11.4%増。パソコンや企業向けサーバーが好調だった。

 売上高を事業別に見ると、企業向けストレージおよびサーバー事業が44億ドルで前年同期から19%増加した。業界標準サーバーによる収入が同31%増加したほか、ストレージが同10%増、ESSブレードが同29%増と好調だったが、ビジネス・クリティカル・システムは同15%減少した。同事業部門の営業利益は5億4900万ドルとなり、営業利益率は12.3%と前年同期の10.2%から上昇した。

 パソコンなどのパーソナルシステム事業は99億ドルで前年同期から17%増加。出荷台数は同12%増。ノートパソコンの売り上げは同10%増、デスクトップは同27%増加した。同事業部門の営業利益は4億6900万ドル。営業利益率は4.7%と前年同期の4.6%から上昇している。

  一方、サービス事業は86億ドルで前年同期比1%増の小幅な伸び。ソフトウエア事業は同2%増の8億6300万ドルになった。画像処理およびプリンティング事業は同9%増の62億ドルだった。

 地域別の売上高を見ると,米大陸が前年同期比12%増の142億ドル、EMEA(欧州、中東、アフリカ)が同9%増の109億ドル、アジア太平洋地域は同14%増の56億ドル。米国外の売上高が総売上高の63%を占めた。BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の合計売上高は同21%増加し,総売上高に占める割合は11%になった。

 併せて発表した2010会計年度第4四半期(2010年8~10月)の売上高予想は、325億~327億ドルの範囲を見込む。2010会計年度通期の売上高は1253億~1255億ドルと見ている。HPは、8月6日にMark Hurd前最高経営責任者(CEO)の辞任を発表したが、その際に示した見通しを据え置いた格好だ(関連記事:米HPのマーク・ハード会長がセクハラで辞任)。

 なおHPは8月18日、前CEOの後任探しをヘッドハンティング会社の米Spencer Stuartに依頼したことを明らかにした。社内外から候補を探すとしている。

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