米Googleが同社有料広告サービス「AdWords」を通じて自社広告を掲載することに対し、米サンタクララ大学ロースクール准教授のEric Goldman氏が疑問を投げかけるブログ記事を掲載した。「自社広告は多くのサイト運営者が行っていることだが、Googleが自社広告を載せると同時に広告オークションを実施していることは、容認できない利害の対立だ」と批判している。

 AdWordsは、広告主がターゲットになる検索キーワードに入札するオークション方式を採っている。GoogleがAdWordsを介して広告を購入すれば、オークショニア(競売人)でありながらビッダー(入札者)にもなる。「この場合の利害衝突は明白だ」と同氏は指摘する。

 同氏の主張では、Googleはオークション運営者として、入札価格や品質スコアなどオークションに関する有利な情報を入手できる。また、Googleが落札しても広告料はGoogleに入るため、入札価格を容易に上げられる。さらに外部からは、Googleの行動を監査あるいは正当性を立証する手段がない。このためGoogleは、入札すれば確実に落札できることになる。

 また同氏は、Googleが自社製品やサービスを宣伝する目的以外に、好ましくないコンテンツが検索結果の上位に表示された際に釈明したり、重大事故/事件に関する情報提供ページ開設の告知に自社広告を使われたりした例を挙げている。

 例えば、2009年に「Michelle Obama」のキーワードで画像検索を実行すると米大統領夫人を侮辱する画像が検索結果に表示され、Googleは「An explanation of our search results(検索結果に関する説明)」へのリンクが掲載された。また最近では、英BPのメキシコ湾原油流出事故に関する情報ページへのリンクがAdWords広告に表示されたという。

 Goldman氏の意見は、自身のブログと検索関連ニュースサイト「Search Engine Land」において、米国時間2010年8月18日付けで掲載されている。

[Goldman氏のブログ投稿記事]