NTT(持ち株会社)は2010年8月5日、2010年度の第1四半期決算を発表した。会見に出席した同社の三浦惺代表取締役社長は、総務省のICTタスクフォースで議論が進められているNTT組織見直し議論について、記者の質問に答えた。

 まず、原口一博総務大臣が光の道構想実現後にNTTを完全民営化する案を示していることについて、「規制緩和について述べていただいている点はありがたい。電話中心の政策から、IP中心の政策に転換していただきたい。サービス規制の緩和を引き続き要請したい」と述べた。また、総務省からPSTN網をFTTH網にマイグレーションするスケジュールを8月中に示すよう求められている件については、「物理的な点だけでなく、その上で提供しているサービスや制度、ユーザーのコスト負担がどうなるかといった要素を複合して考えないといけない。8月末までにどこまで明らかにできるか、詰めていきたい」と説明した。8月中に開催が予定されている「光の道」ワーキンググループの事業者ヒアリングについては、「民間が積極的にサービスを拡大することと合わせて、電子政府や教育、医療などのパブリックセクターによるICTの利活用促進も重要ということを説明していきたい」と述べた。

 なお2010年度の第1四半期決算は以下の通り。売上高が2兆4989億円(対前年同期比40億円減)、営業利益が3397億円(同139億円増)。三浦社長は減収増益となった要因として「携帯電話機のバリュープランが浸透し、増加ペースが落ちてきたこと」「固定電話の縮小幅が減少し音声収入の減少が670億円に留まったこと」「フレッツ光の拡販やドコモのパケットARPU向上によるIP関連収入が544億円増加したこと」「昨年まで大幅に減少していた端末の販売収入が23億円の増加に転じたこと」――を挙げた。