写真●第1四半期決算について説明するNTTの三浦惺社長
写真●第1四半期決算について説明するNTTの三浦惺社長
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 NTT(持ち株会社)は2010年8月5日、2010年度第1四半期(2010年4~6月期)の連結決算を発表した。売上高は2兆4989億円で前年同期比0.2%の減収、営業利益は3397億円で同4.3%の増益となった。

 売上高は前年同期比で減収となっているが、その縮小幅は0.2%と小さくなった。主な要因として三浦惺社長は、(1)固定電話の音声収入の減少など減収要因の縮小ペースが小さくなったこと、(2)フレッツ光やNTTドコモのパケットARPUなど、IP系収入が順調に増加していること、(3)携帯端末の販売収入が増加に転じたこと--を挙げた。

 営業利益の増益要因については「NTT東西の地域通信事業セクターが経費削減で大幅に増益したのが効いた」(三浦社長)とした。営業利益の年間計画に対する進ちょく率は、29.2%と高い水準で達成している。

 グループ事業全体については、「順調に推移しており、年度計画は達成できる」(三浦社長)との見方を示した。こうした状況から、2011年度を予定している光サービスの単年度黒字化や、グループ全体の売上高に占めるIP・ソリューション事業の比率を、2010年度中に概ね3分の2に引き上げるなどの中期経営戦略の目標についても、前向きに取り組む姿勢を強調した。

 質疑応答では、原口一博総務大臣が推進する光の道構想と、NTTグループの完全民営化についての見解を示した。光の道については、光ファイバー回線によるものだけでなく、CATVや無線など様々な手段を活用すべきと従来からの主張と大きく変わらないとした。NTTの組織問題については、「いろいろ規制緩和について述べていただいていることはありがたい。ブロードバンドの普及という観点からは、電話を中心とした政策から、IP中心の政策に転換していただきたい。特に、(NTTグループに課せられている)サービス規制の緩和を引き続き要請していきたい」とした。

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