NTTデータは2010年8月3日、2010年4~6月期(第1四半期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.9%減の2615億円、営業利益は同22.5%減の128億円と減収減益となった。減収の主な要因は、前年同期に大型案件の売り上げがあったため。減益は、予想外の赤字案件が複数発生したことや、連結子会社の拡大によって販売管理費が増加したことなどが原因だ。
複数の赤字は、NTTデータ本体が受注したプロジェクトで発生した。赤字額は合計で18億円前後とみられる。「主に新規に取り引きを始めた顧客向けの案件で起きた。当社の業務知識が足りなかったことが原因だ。第2四半期以降は、ほぼ収束すると予想している」(榎本隆代表取締役副社長執行役員)。
通期の業績見通しは売上高が1兆2000億円、営業利益が900億円で、変更しなかった。榎本副社長執行役員は「第2四半期以降で十分取り返す余地はある」と説明する。「まず企業買収をさらに進める。加えて、通信業、製造業向けにERP(統合基幹業務システム)パッケージやSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を軸にした提案を実施し、ものにしていきたい。金融業向け案件は堅調なので引き続き受注を獲得していく」(同)。