写真1●米Symantecが運営するWebフィルタリング機能付きDNS「Norton DNS」
写真1●米Symantecが運営するWebフィルタリング機能付きDNS「Norton DNS」
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 シマンテックは2010年7月29日に開催した戦略説明会の席上で、スマートフォンや情報家電などインターネットを利用するスマートデバイス向けに、Webフィルタリングサービスを無償提供する方針を明らかにした。ベータ公開中の「Norton DNS」による名前解決の過程で、悪質なサイトへのアクセスを遮断する仕組みを用意する(写真1)。

 具体的には、URL内のホスト名とIPアドレスを変換するNorton DNSによる名前解決の際に、同社のレピュテーション技術「SHASTA」によるWebフィルタリングの機能を利用できるようにする。米Symantec Productのプロダクト・マネジメント部門ディレクターのDan Nadir氏は「『Wii』や『iPad』が直接ウイルスの脅威にさらされているわけではないものの、安全と認識するのは間違いだ。メールでフィッシングサイトに誘われ、機密情報を入れたらパソコンと同様に被害を受ける」と警告する。

 現在ベータ公開中のNorton DNSは、Symantecの有償サービスや製品の利用を促進する「無償のベーシックなサービス」(Nadir氏)という位置づけ。今のところiPhoneやAndroid端末で利用するには、エンドユーザーがDNS設定を「198.153.192.1」と「198.153.194.1」に変更する必要がある。WindowsとMac OS向けには、IPアドレスを設定するツールを提供中だ。今後は公衆無線LANサービスでの利用やネットワーク機器への組み込みを働きかけ、ユーザーが意識することなく使えるようにする計画。Nadir氏は「Norton DNSは東京のデータセンターでも稼働しており、高速な名前解決が可能だ」と、日本における採用のメリットを語った。

 組み込み機器での利用に当たっては、組み込み向けセキュリティソフトを手がける米Mocanaと協業。「SHASTAと通信可能なソフトウエアを、35種類のOSおよび70種類のCPUに向け供給できる。端末のファイル更新が可能な『LiveUpdate』のプラットフォームも活用できる」とし、情報家電からスマートフォンまで広範な普及を目指す。