写真1●NTTドコモの山田隆持社長
写真1●NTTドコモの山田隆持社長
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写真2●LTEのブランド「Xi(クロッシィ)」。「X」は「人、物、情報のつながり」「無限の可能性」、「i」は「イノベーション」「私」を意味しているという
写真2●LTEのブランド「Xi(クロッシィ)」。「X」は「人、物、情報のつながり」「無限の可能性」、「i」は「イノベーション」「私」を意味しているという
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写真3●LTEのエリア展開計画
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 NTTドコモは2010年7月29日、2010年度の第1四半期決算を発表した。売上高は前年度比0.4%増の1兆892億円、営業利益は同4.5%減の2405億円の増収減益だった。前年同期比の増収は3年ぶりとなる。

 NTTドコモの山田隆持社長(写真1)は「スマートフォンやPCデータ端末、デジタルフォトフレームなどの寄与によって純増数は前年度比64%増を達成。総販売台数も2年半ぶりに増加した。パケットARPUの伸びも加速し、海外の子会社などの新規収入も拡大した」と増収の要因を説明した。

スマートフォン好調で収入減に歯止め

 最近のドコモの経営根幹は、音声ARPUの落ち込みをパケットARPUの伸びでいかに補うのかという点である。今期の音声ARPUは前年同期比330円減となる2680円。それに対してパケットARPUは同80円増となる2510円となった。山田社長は「音声の収入減をかなりの率でパケット増で補えるようになった。子会社の売り上げ増などその他の収入増で、音声収入減をほぼカバーできるようになった」と、減収傾向に歯止めがかかった点を強調した。

 パケット収入増の大きな要因となっているのが、好調なスマートフォン販売だ。今期のスマートフォンの販売台数は30万台を越えたといい、「特にXperiaが好評で30万台のうちの9割がXperia」(山田社長)という。スマートフォンでiモードメールを使える「SPモード」を9月に開始するほか、秋冬モデルとしておサイフケータイやワンセグに対応したスマートフォンを7機種発売することで、本格的なスマートフォンの普及を促す。かねてから今年度中に音声ARPUとパケットARPUの逆転を狙うとしていた点については(関連記事)、「おそらく4Qに逆転するのでは」(山田社長)という見通しを示した。

LTEのブランド名を「Xi(クロッシィ)」に

 12月からサービス開始予定のLTEについて、サービスブランドを「Xi(クロッシィ)」にすることもこの日発表した(写真2)。FOMAの約10倍の最大75Mビット/秒の速度、約3倍の大容量、約1/4の低遅延というLTEの特徴を表現するために、新たなブランドとして端末などにロゴを付与していくという。まずはデータ通信専用端末から開始し、2011年度後半にハンドセット型端末を導入する計画だ。

 エリア展開については、まずは2010年度内に東名阪を中心に約1000局、人口カバー率7%とし、2011年度末に県庁所在地級都市に約5000局、同20%、2012年度末までに全国主要都市に約1万5000局、同約40%とする計画である(写真3)。料金プランについては11月ころに発表したいという。

 またこの日、ドコモの今後の10年間のビジョンとして「HEART」を発表した。これまでは2000年に発表した「MAGIC」というビジョンのもとで、モバイル・マルチメディアを推進してきた。新たなビジョンの元では、「モバイルという枠組みを超えて、モバイルを核にした総合サービス業を目指す」(山田社長)としている。

決算資料、およびLTEの新ブランド、新たな企業ビジョン