写真●マイクロソフト 最高技術責任者の加治佐俊一氏
写真●マイクロソフト 最高技術責任者の加治佐俊一氏
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 マイクロソフトの基礎研究機関であるマイクロソフトリサーチ(MSR)は2010年7月26日、同社が開発した多言語翻訳フレームワーク「CTF(Collaborative Translation Framework)」を、豊橋技術科学大学に提供すると発表した。同大学のWebサイトや学内文書の多言語翻訳に利用し、その対訳事例をCTFなど機械翻訳の精度向上に役立てる。

 CTFは、MSRの機械翻訳技術に、Web上でユーザーからのフィードバックを受け入れるユーザーインタフェースを付加したもの。対訳事例を統計的に分析した結果を基に機械翻訳を行い、その翻訳結果を人間が確認して訂正、編集を加えることができる。訂正、編集した結果は、機械翻訳の精度向上に利用する。

 今回、豊橋技術科学大学ではCTFを和訳、英訳だけでなく、英語から7カ国語(中国語、韓国語、タイ語、スペイン語、ポルトガル語、ドイツ語、アラビア語)への翻訳に利用する。機械翻訳の結果に対して、学内の留学生や2カ国語以上に精通した学生が修正を加え、その修正結果をMSRに提出する。マイクロソフト 最高技術責任者の加治佐俊一氏(写真)は、「豊橋技術科学大学にとっては、これまで手作業で行っていた翻訳作業が自動化されるとともに、英語以外の言語に対応できるメリットがある。また、MSRも大量の対訳事例を集めることができるという利点がある」と説明した。