日本IBMは2010年7月26日、新たな検証センター「IBMイノベーション・センター」を開設すると発表した。東京都渋谷区にあるIBM新渋谷事業所を改装し「パートナーのビジネスを支援するための中核拠点にする」と日本IBMの岩井淳文執行役員パートナー&広域事業担当は説明する。利用開始は7月30日から。

 IBMイノベーション・センターは、日本IBMのビジネス・パートナーやISV(独立系インテグレータ)が利用できる。IBM製品を使ったパートナー企業のソリューション開発や検証、IBMとパートナー企業の共同マーケティング計画の策定、パートナー向けのセミナー会場のために使う。

 以前、IBM新渋谷事業所には「IBMソフトウェア・コンピテンシー・センター」と呼ぶ検証センターがあった。IBM製ミドルウエアの検証施設として、ソフト事業のパートナーやISVに開放していた。しかし、2010年3月から7月まで閉鎖していた。

 「閉鎖している間、ソリューションを共同開発したり、検証したりする場が欲しいという要望をパートナーの方から受けた。加えて、ソフトもハードも一緒に検証したいという要望も増え、今回再オープンすることにした」(川原均専務執行役員ソフトウエア事業担当)。

 IBMイノベーション・センターとしてリニューアルするに当たり、検証する対象をソフトウエアのみから、ソフトとハードの両方に拡大。対象のパートナー企業も、ソフトウエア分野のパートナーから全パートナーに広げ、センターの主管部門をソフトウェア事業部門からパートナー&広域事業部門に変更した。

 また、IBMイノベーション・センターの開設に伴って東京都中央区にあるハードウエアの検証センター「IBMシステム・コンピテンシー・センター」を2010年7月26日付で「IBMテクノロジー・センター」に改称した。IBMテクノロジーセンターは主に技術検証を受け持つことになる。

■変更履歴
本記事3段落目で、「日本IBMの経費削減策の一環で、2010年3月から7月まで閉鎖していた」としていましたが、日本IBM広報から「閉鎖の理由は、検証センターの在り方を見 直す検討を実施したため。閉鎖期間中、経費の妥当性を検証したが、削減ありきではなかった。実際、リニューアル後は運営費用を増額する予定である」という補足説明があったため、「日本IBMの経費削減策の一環で」という一文を削除しました。 [2010/07/26 16:30]