米Verizon Wirelessの2010年第2四半期におけるポストペイド(料金後払い式)携帯電話契約者数は66万5000人増え、米AT&Tの同じ期間の増加数を上回った。米Verizon Communicationsが米国時間7月23日に発表した第2四半期決算で明らかになった。

 Verizon Wirelessのポストペイド契約者数は前年同期から5%増加しており、これで同社の携帯電話全契約者数は9210万人となった。これに対し、AT&Tのポストペイド契約者数は同四半期に49万6000人増え、契約者数合計は9010万人となった。

  米New Yort Timesによると、VerizonのJohn Killian最高財務責任者(CFO)は、第2四半期の業績は米Googleと提携して開発した6つのスマートフォンによって支えられたと述べている。台湾HTC製の「Droid Incredible」や米Motorola製の「Droid X」が新規顧客獲得に寄与していると同氏は話している。

 ただし、AT&Tの場合スマートフォンなどの高付加価値サービスの顧客の割合が全体の53%を占めるのに対し、Verizonはわずか35%だと米Wall Street Journalの記事は指摘している。

 またAT&Tでは米Appleの「iPhone」がけん引して、平均月額利用料が前年同比3.4%増の62.63ドルとなっている。これに対しVerizonは同0.9%増の51.56ドルだ。

 Appleが「iPhone 4」の販売を開始したのは6月24日であるため、AT&Tの第2四半期の業績にこの新端末の実績は本格的に反映されていない。第3四半期には在庫も整い、より多くの顧客がiPhone 4を買い求めることからから、両社の間で逆転現象が起こるかもしれないとWall Street Journalは伝えている。

 なおVerizon Communicationsが23日に発表した2010年第2四半期の決算は、純損失益が1億9800万ドル(前年同期は14億8300万ドルの黒字)だった。売上高は前年同期比0.3%減の267億7300万ドル。人員削減に関連する費用23億ドルを計上したことなどが大きく響いた。携帯電話事業の売上高は同3.4%増となったが、固定電話事業は同3.3%減少していいる。

[Verizon Communicationsの発表資料]
[AT&Tの発表資料]