会津若松市が公開したOpenOffice.orgのケース別マニュアルの一部。「差込み印刷手順」の1ページ
会津若松市が公開したOpenOffice.orgのケース別マニュアルの一部。「差込み印刷手順」の1ページ
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会津若松市が公開したOpenOffice.orgのケース別マニュアルの一部。「3D画像の作り方」の1ページ
会津若松市が公開したOpenOffice.orgのケース別マニュアルの一部。「3D画像の作り方」の1ページ
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 会津若松市は2010年7月22日、オープンソースのオフィスソフトであるOpenOffice.orgのケース別マニュアルを公開した。またOpenOffice.orgを収録したCD-ROMの市民への配布を開始した。

 会津若松市は、コスト削減などを目的に、市庁舎で利用するオフィスソフトのOpenOffice.orgへの移行を進めている。また市の標準文書フォーマットに、OpenOffice.orgの文書形式をベースにした国際標準規格であるODF(OpenDocument Format)を採用している。ソフトウエアのバージョンアップなどにより文書ファイルが閲覧できなくなる可能性をなくすことと、市民が有償のソフトウエアを購入しなくとも文書ファイルを読み書きできるようにすることが目的である(関連記事)。

 市民にOpenOffice.orgおよびODFへの理解を深めてもらうため、会津若松市ではOpenOffice.orgをわかりやすく解説する冊子「オープンオフィスにしませんか?」を作成、ODFおよびPDF形式のファイルとして公開している(関連記事)。今回公開したのは「特定のフォントを置き換えて表示するには」、「ラベル印刷をするには」、「差込み印刷手順」、「目次ページを作成するには」、「3D画像の作り方」といった、33の場面ごとの手順をまとめたケース別マニュアル。会津若松市のホームページで、PDFファイルとして公開した。冊子同様、改変や再配布が可能なクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで配布している。

 CD-ROMにはOpenOffice.orgのほか、今回公開したケース別マニュアル、冊子「オープンオフィスにしませんか?」、会津若松市の申請書類フォーマット、同市の観光パンフレット「あいばせ」を収録している。また可知豊氏が作成し無償公開している「オープンオフィス入門ガイド」も掲載している。

 同市がCD-ROMを配布するのは3回目。CD-ROMの作成費は毎回広告掲載でまかなっている(関連記事)。今回広告を掲載したのはエプソン販売 さいたま支店。第1回はゾーホー、第2回はアシストが広告を掲載した。CD-ROMは同市の市役所や公民館、市民センター、図書館などで無償配布している。

 会津若松市ではマニュアルや冊子だけでなく、市の業務で必要になり作成した文書テンプレートや、OCR向けフォントも公開している。またOpenOffice.org本体開発コミュニティへのバグ報告も市職員が自ら行っている(参考:OpenOffice.org 日本語プロジェクトリード中田真秀氏のブログ)。

◎関連リンク
オープンオフィスケース別マニュアル(会津若松市)