ルクセンブルクのSkype Technologiesは現地時間2010年7月21日、米Appleのスマートフォン「iPhone」向けSkypeの新版「2.0.1」を公開したと発表した。TCP/IPネットワーク上で音声データを送受信するVoIP(Voice over Internet Protocol)アプリケーションで、iPhone向けアプリケーション販売/配布サービス「App Store」から無償で入手できる。

 iPhoneの新OS「iOS 4」のマルチタスク機能に対応し、バックグラウンドでSkypeを実行できる。iPhoneをロックしている際もSkypeの通話やインスタントメッセージング(IM)の受信が可能で、別のアプリケーションに切り替えた後も利用を続けられる。このほかiPhone 4の高解像度「Retina」ディスプレイに最適化した。

 Skype Technologiesは併せて、3G(第3世代)ネットワーク経由でのSkype間通信の有料化計画を取りやめると発表した。Skypeは今年5月に公開した2.0.0版で、通信事業者の3G回線を介すSkype間通信のサービスを始めた。無料で利用できるトライアルを2010年末まで実施し、その後は有料化する予定だった(関連記事:Skype for iPhoneの新版リリース、3G通話に対応)。

 同社は計画中止の理由について詳しく述べていないが、公式ブログでは「通信事業者が階層型料金モデルへと移行するなど、モバイル通信の世界は著しく変化している。こうした状況を踏まえて料金を課さないことに決めた」と説明している。

 おそらくSkype間通信の課金はユーザーに不評だったからだろうと複数の海外メディアが報じている。音声通話収入の減少やデータ通信量の増大を懸念する通信事業者は、データサービスを組み合わせた、より高額な料金プランを消費者に提供しようとしている。そうした割増料金に加え、Skype間通信にも料金がかかるとユーザーの負担は大きくなってしまう。

[Skype Technologies公式ブログへの投稿]