グーグルは2010年7月21日、ストリートビューの写真撮影活動を再開したと発表した。同社は今年5月、写真撮影車が搭載していたネットワーク機器を通じて、オープンなWi-Fiネットワークを流れるデータを誤って収集していたことを発表。ストリートビューのデータ収集を、一時中止していた。今回、Wi-Fiからのデータを収集する機器を撮影車から除去し、写真撮影を再開した。

 同社はデータを誤収集した理由を「ストリートビューの撮影車に搭載されたオープンなWi-Fiネットワーク上で発信されているシグナルを収集するためのプログラムに誤ったコードが含まれていたため」と説明。「収集されたデータは、グーグルのいかなる製品にも使用していない」(同)。

 誤収集は「単純な間違いから引き起こされた」。2006年、Wi-Fiの実験プロジェクトのエンジニアが、ネットワーク上に公開されているあらゆるカテゴリーのWi-Fiデータのサンプルを記録するプログラムを作成。その1年後に、モバイル製品の開発チームがストリートビュー撮影車を利用して、基礎的なWi-Fiデータだけを収集し始めたときに、このプログラムが誤って含まれていたという。

 今年5月に問題が発覚すると、グーグルはストリートビュー撮影車の運用を停止し、Wi-Fiデータの収集も中止した。Wi-Fiから収集したデータをネットワークから隔離して保管した上で、各国や地域の監督機関と話し合いを続けてきたという。

 撮影を再開するにあたっては各国の撮影車から、Wi-Fiデータ収集に関する機器を取り外した。今後は写真と3次元画像だけを収集する。