写真●グローバル時代におけるICTタスクフォース合同部会の様子
写真●グローバル時代におけるICTタスクフォース合同部会の様子
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 総務省は2010年7月20日、「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」の「過去の競争政策のレビュー部会・電気通信市場の環境変化への対応検討部会」(2部会合同)の第12回会合を開催した。

 2010年5月に同タスクフォースが取りまとめた基本的方向性を受けて、その具体策を検討するための「光の道」ワーキンググループ(WG)を2部会合同で新たに設置する。WGの主査は、一橋大学大学院商学研究科教授の山内弘隆氏が務め、構成員として東京大学大学院工学系研究科教授の相田仁氏、野村総合研究所上席コンサルタントの北俊一氏、九州大学大学院経済学研究員教授の篠崎彰彦氏、慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の中村伊知哉氏、立教大学法学部教授の舟田正之氏、A.T.カーニー プリンシパルの吉川尚宏氏が参加する。

 WGでは、メタル回線からFTTH(ファイバー・ツー・ザ・ホーム)へのマイグレーションのスケジュールを示す「『光の道』戦略大綱」についての報告を8月末頃に、光の道実現の具体策に関する最終報告書を11月頃に親会である合同部会に報告する。また、5月までの議論で進まなかったNTTの経営形態やドミナント規制に関する議論にも時間を割く方針である。WGで議論するための材料として、タスクフォースはNTTグループに対し、メタル回線からFTTHへのマイグレーション計画を提出するよう要請する。「原口総務大臣が同様の要請を行うと聞いているが、これとは別にタスクフォースからも要請する」(黒川和美・過去の競争政策のレビュー部会座長)という。

 一方、ブロードバンドサービスへのアクセス権などを含む新しいユニバーサルサービス制度については、7月27日に大臣が情報通信審議会に諮問し、ユニバーサルサービス委員会の場で議論する。

 光の道構想について5月までに行われた議論が委員だけで進められたという反省から、今回の議論では2回のパブリックコメントを実施する。募集項目は「『光の道』の整備方法」「『光の道』実現のための競争政策のあり方」「NTTの経営形態のあり方」の3点である。1回目の意見は2010年7月27日~8月16日までの3週間で、募集期間終了後に応募された意見を速やかに公表する。2回目は8月17日から8月31日までの2週間で、1回目の募集で提出された意見に対する再意見を募集する。