米国の消費者情報誌Consumer Reportsは米国時間2010年7月14日、米Appleの新型スマートフォン「iPhone 4」の電波受信に不具合があるとされる問題で、同社が販売している専用ケースを使えば問題が解消すると発表した。

 同誌のラボで実験した結果、Appleが販売している「Bumper(バンパー)」と呼ぶ製品が解決策の一つになることが分かった。この製品をiPhone 4に装着し、先に行った実験と同じく左下側面の黒いスリット部分に指で触れて受信感度を測定した。その結果、信号低下がごくわずかになり、問題がなくなると結論付けた。

 同誌は先の報告で、アンテナが組み込まれている左下側面を指で触れると、接続が完全に切れるほど信号が低下することから、同端末を推奨しないと評価していた(関連記事:「iPhone 4は推奨できない」、Consumer Reports誌が表明)。

 このとき、消費者ができる手軽な問題解決策として、ダクトテープ(補修用の多目的テープ)などの絶縁性の高いテープで左下側面を覆う方法を紹介していたが、Bumperでも同様の効果があった。

 Bumperは、ゴムと成型プラスチックでできたケースで、iPhone 4の左右上下の縁を覆うように装着する。このため問題とされる部分を直接指や手で触れずにすむ。Appleのオンラインストアで29ドルで販売している。

 ただし同誌は、問題解決のための費用は消費者が負担すべきでなく、Appleが何らかの解決方法を無料で提供すべきだとしている。

 今回の電波受信性能の問題について、Appleは米国時間16日に米カリフォルニア州クパチーノにある本社で記者会見を開き、何らかの説明を行うと米New York Timesなどのメディアが伝えている。

 リコールを発表するのではないかとの観測も流れているが、内容については明らかされておらず、広報担当のSteve Dowling氏も詳細については語っていないという。New York Timesは、アナリストらはリコールの可能性は極めて低いと見ていると伝えている。またAppleがBumperの無償提供を決めたのではないかといううわさも流れているという。

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