写真●リクルートの出木場久征カスタマーアクションプラットフォーム室長
写真●リクルートの出木場久征カスタマーアクションプラットフォーム室長
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 リクルートは2010年7月15日、飲食店や宿泊施設などのクーポン券を共同購入できるWebサイト「pomparade(ポンパレード)」を開設すると発表した。7月21日の12時からクーポンの販売を始める。pomparadeはフラッシュマーケティングと呼ばれる手法を実現したWebサイト。「24時間以内に100人集まったら、50%割引のクーポンを発行する」といった条件を提示する代わりに、通常よりも割引率が高いといった有利な条件のクーポンを販売し、消費者の購買を促進する。

 pomparadeは開設当初、東京/神奈川/千葉/埼玉といった首都圏を対象にサービスを提供していく。扱うサービスは、飲食店や宿泊施設のほか、ネイルサロンのような美容や習い事などを想定している。「日常生活では手が出せない飲食店やサービスのクーポンを用意し、プチ贅沢や新しい体験をしたいという消費者のニーズを取り込む」とリクルートの出木場久征カスタマーアクションプラットフォーム室長(写真)は話す。「サービス提供の対象地域を早い時期に首都圏から拡大していきたい」(出木場室長)としている。

 pomparadeのビジネスモデルは、クーポンの販売が成立した分の手数料を、サービスを提供する顧客企業がリクルートに支払う仕組みだ。「手数料は商材や地域によって異なるため、売り上げの20%程度になる見込み」(出木場室長)という。顧客企業は、新規顧客の獲得に加え、稼働率が悪い時間帯に限ったクーポンを販売するといった工夫をすることで、店舗の稼働率を高められるメリットがある。

 クーポンの割引率やクーポン購入時の条件を顧客企業とリクルートの営業担当者が相談のうえ決定する。最短で24時間、最長3日の間からサービスの販売期間を決め、1地域ごと1サービスに限定してpomparadeでクーポンを販売。「100人以上」といったクーポンの購入条件を満たすために、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアを利用して、購入を希望する消費者がクチコミを広げることで宣伝効果を狙う。リクルートの既存のWebサイトやメールマガジンでも宣伝する。

 フラッシュマーケティングを狙ったWebサイトは今年に入って増えており、リクルートの参入は後発となる。この点について出木場カスタマープラットフォーム室長は「競合が多いことは歓迎する」としたうえで、「じゃらんやホットペッパーといった既存のメディアで蓄積したナレッジや営業力、提案力を生かして差異化を図っていきたい」と強調した。