NTTは2010年7月15日、南アフリカ共和国に本拠地を置くIT企業、Dimension Data Holdingsを買収すると発表した。買収金額は最大約21億2000万ポンド(1ポンド=135円換算で約2860億円)。Dimension Dataの買収により、NTTグループのグローバル事業の売上高は約70億ドルに達する見通し。

 Dimension Dataは、企業向けにネットワーク機器やサーバーなどITインフラの構築と運用・保守を手掛ける。2009年9月期の売上高は39億7300万ドルで従業員数は約1万1500人。世界49カ国に拠点を持ち、顧客数は約6000社に達する。

 NTTは、Dimension Dataの買収により、グローバルの企業向けビジネスを強化する。NTTグループが展開するマネージドネットワークサービスやデータセンター、システムインテグレーション、モバイルサービスに、Dimension DataのITインフラ構築や運用・保守サービスを加えることで、総合的なITサービスを提供できる体制を構築する。サービス提供エリアの拡大も狙う。アジアと欧州だけではなく、中東、アフリカ、オーストラリアにも範囲を広げる。

 Dimension Dataの買収について、NTTの三浦惺社長は「両社の強みは理想的な補完関係にある。クラウド時代に対応した新たなサービスや価値を創造するというビジョンを共有している。両社の強みを融合させることにより、このビジョン達成へのスピードを加速させたい」とのコメントを発表した。

 NTTは、Dimension Dataの株式を現金で取得する。Dimension Dataの取締役会は買収について全会一致で賛同しているという。買収は2010年10月ごろに完了する予定である。