写真●日立製作所とKDDIが開発した「ユビキタス端末」
写真●日立製作所とKDDIが開発した「ユビキタス端末」
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 日立製作所とKDDIは2010年7月12日に記者会見を開催し、UHF帯ICタグのリーダー/ライターを携帯電話機に組み込んだ「ユビキタス端末(写真)」を開発したと発表した。リーダー/ライターはUHF帯のパッシブ・タグだけではなく、UHF帯のアクティブ・タグ(電池を内蔵し、自ら電波を発するICタグ)とも通信ができる。パッシブ・タグとの通信距離は数センチメートル、アクティブ・タグとの通信距離は十数メートルだという。

 用途としては、例えばパッシブ・タグを商品に取り付けてこの端末で読み書きするトレーサビリティを考えている。商品の製造から販売、リサイクルに至る過程を追跡するといったものである。ほかには、商業施設や観光地に設置したアクティブ・タグを、この端末で読み取ることで観光情報やクーポンの情報を自動で端末に表示するといった使い方も想定している。

 今回の端末開発は、総務省の委託研究「ユビキタス端末技術の研究開発」プロジェクトの成果の一つである。2010年秋から冬には、商業施設においてこの端末を使った実証実験を計画しているという。端末はKDDIの法人向け携帯電話機「E05SH」をベースに開発している。出力は10mWで、免許不要の特定小電力と呼ばれるカテゴリの無線局になる。

発表資料