独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)オープンソフトウェア・センターは2010年7月8日、Linuxの仮想化機能(ハイパーバイザ)であるKVMと、Java実行環境OpenJDK、2つのオープンソースソフトウエア(OSS)の検証報告書を公開した。「クラウドコンピューティング構築へのOSSおよびオープンな標準の適用可能性調査」として実施したもの。

 KVMについては「基本機能評価」、「耐障害性の検証」、「VM負荷の他のVMへの影響」、「運用シナリオ」のつの観点からの検証を行った。「KVM は実用可能な機能・品質レベルに達しつつあるという印象」(調査報告書)としている。

 OpenJDKについては仮想化環境での相互運用性評価、ソースコード解析などによりSunJDKとの違いについて確認し、OpenJDKが問題なく使用できるか、また相互運用性の観点から互換性が担保されているかを検証した。「OpenJDKとSunJDKは十分な相互運用性をもっており、仮想化により効率的な集約を行えることを確認した」(調査報告書)という。

 IPAでは今後、並行して作成した「社内向けクラウド構築のために活用できるソフトウェアカタログ」および同時に実施した「クラウド運用管理ツールの基本機能、性能、信頼性評価」の報告書を近日中に公開するとしている。

◎関連リンク
「OSS仮想化機構KVMについての調査」(OSS iPedia)
「アプリケーション実行基盤としてのOpenJDKの評価」(OSS iPedia)