写真1●サーバー/ストレージ7製品の追加と、ブレード向けエンクロージャの部品強化を実施
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写真2●デルの拡張性重視型ブレードサーバー「Dell PowerEdge M610x」
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写真3●M610x向けにデルブランドの拡張カードを拡充
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写真4●ハーフハイトサイズのブレードサーバー「Dell PowerEdge M710HD」
写真4●ハーフハイトサイズのブレードサーバー「Dell PowerEdge M710HD」
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 デルは2010年7月8日、サーバー/ストレージの新モデル7製品を発表した。発表したのは、ブレードサーバー2機種、ラックマウントサーバー1機種、ストレージ4機種(写真1)。拡張ボード用のスロットと電源容量を増やしたブレードサーバーや、同機向けにグラフィックスコントローラを汎用処理に応用するGPGPU拡張カードを追加するなど、ソリューションの“穴”を埋める形でラインナップを強化した。同日から順次販売を始める。

 ブレードサーバー「Dell PowerEdge M610x」は、PCI Expressスロット数が2の拡張性重視モデル(写真2)。2スロット占有時で最大300W、シングル時で各スロット最大250Wと給電能力に余裕を持たせた。2つのスロットには、ディスクやテープなどのストレージ向けのインタフェースに加え、GPGPUカードを増設して大規模演算ノードとして利用したり、SSDカードを増設してデータベース用キャッシュサーバーとして利用したりできる(写真3)。M610x向けに、米NVIDIAのGPU「NVIDIA Tesla」搭載のGPGPUカード、米Fusion-ioのサーバー向けSSDカード「ioDrive Duo」をデルブランドでOEM販売する。発売は同年8月中旬を予定する。

 もう一つのブレードサーバー「Dell PowerEdge M710HD」は、最大2基のIntel Xeon 5600番台、192Gバイトの最大メモリー容量といった従来のM710相当の基本仕様を維持しつつ、拡張スロットを4から2に減らすなど小型化したハーフハイトモデル(写真4)。一方で、LANコントローラを同社のブレードサーバーとして初めてモジュール化。将来は10Gビットイーサネットなどのへの拡張が可能という。発売は同年8月中旬を予定する。

 これらのサーバーを格納するエンクロージャについても、既存の「Dell PowerEdge M1000e」を同日から空冷ファンを30%省電力、15%高効率の新型ファンに切り替える。また2010年内に、同社エンクロージャとして初めてAC100V対応の電源を提供する予定だ。

 ラックマウントサーバーの「Dell PowerEdge R715」は、物理コアの数を重視した2Uモデル。AMD Opteron 6100シリーズを最小構成で2基搭載。計24個の物理コア、最大256Gバイトのメモリーを利用できる。同日販売を始める。

 価格はブレードサーバーのM610xが29万2110円から、M710HDが27万2160円から。ラックマウント型サーバーのR715が52万7100円から。M610x向けの拡張カードは、GPGPUカードが21万8000円から、SSDカードが100万円から(160Gバイト時)になる予定。

SSDとHDDの組み合わせで自動最適化

 ストレージの新製品のうち、「Dell EqualLogic PS6000XVS」と10Gビットイーサネット対応の「PS6010XVS」は、100Gバイト×8のSSDと、450Gバイト×8のSASハードディスクを搭載可能な最上位モデル。インタフェースとしては、いずれもiSCSIを採用する。SSDとハードディスクを同時に搭載し、アクセス特性に応じてデータ配置を自動的に最適化。大量の仮想マシンを一斉起動する場合で、76%の性能向上が見込めるという。また新ファームウエアの機能として、VMware仮想マシンイメージ複製のオフロードに対応。PS6000XVS/PS6010XVS内で複製するため、ネットワーク帯域で95%以上、複製時間で最大72%の削減が可能という。発売は同年8月下旬の予定。新ファームウエアは、同年7月下旬に既存機種向けにも提供する。

 中小規模向けDASストレージの「Dell PowerVault MD3200」と「Dell PowerVault MD3200i」(iSCSI対応)は、6Gビット/秒対応SASによる高速化や拡張エンクロージャによる大容量化など、基本機能を強化した。同年6月16日に出荷済みである。

 ストレージ製品の価格はPS6000XVSとPS6010XVSが未定。MD3200が74万3400円から、MD3200iが83万5800円から。