写真1●米Symantec インターネットセーフティアドボケートのマリアン・メリット氏
写真1●米Symantec インターネットセーフティアドボケートのマリアン・メリット氏
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写真2●「ノートン オンライン ファミリー」では、子供が親に対してWebサイト閲覧の許可を求めるコメントを残せる
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 シマンテックは2010年7月8日、子供のインターネット利用について考えるイベントを開催した。米Symantecでインターネットセーフティ推進を担当するマリアン・メリット氏(写真1)が登壇し、小中高生のインターネット利用の実態を解説するとともに、子供をインターネット上の脅威から守るために親が何をするべきかについて意見を述べた。

 メリット氏はまず、同日発表された子供のインターネット利用に関する調査レポート「ノートン オンライン ファミリー レポート 2010」の内容を紹介した。同レポートは、日本を含む14カ国で、8歳から17歳の子供2800人と保護者7000人を対象に米Symantecが調査した結果をまとめたもの。

 レポートによると、62%の子供が「知らない人からソーシャル・ネットワーキング・サイトで友達として登録されそうになった」「ウイルスをダウンロードした」「暴力的な画像やヌード画像を見た」など、オンライン上で好ましくない経験をしている。メリット氏は、「41%の子供が、オンライン上で知らない人から友達になろうと誘われた経験がある。しかし子供たちには、これが危険な行為であるという認識が乏しかった」と指摘した。さらに、「45%の保護者は、子供がオンライン上で好ましくない経験をしていることを知らなかった」(メリット氏)という。

 子供にインターネット上で好ましくない経験をさせないためには、「親が子供のインターネット利用に積極的にかかわり、何か問題が発生したときには親に相談できる環境を作ることが大事」とメリット氏は考える。「ウイルスをダウンロードしてしまった、誤って性的な画像を見てしまったなどの問題に直面したとき、子供は自分自身に重い責任を感じる傾向がある。保護者として、子供にこのような責任を感じさせてしまうのは問題だ」(メリット氏)。

 シマンテックは同日、子供のWebサイト閲覧やSNS利用を監視/制御する無償ソフト「ノートン オンライン ファミリー」の正式版を発表した。子供が使うパソコンに「ノートンセーフティーマインダー」という専用アプリケーションをインストールすることで、有害サイトへのアクセスをブロックし、Webサイト閲覧やSNS利用のログを収集する。保護者は、「ノートン オンライン ファミリー」のサイトへログインして、セキュリティーポリシーの設定や、監視レポートの閲覧を行う。

 同ソフトの特徴は、「子供が親に対して“主張”するための機能を備えていること」(同社 コンシューマビジネスユニット 日本/韓国担当リージョナルプロダクト マーケティングシニアマネージャの風間彩氏)だ。閲覧しようとしたWebサイトが「アクセス禁止」に設定されていた場合、子供は親に同ソフトを介して閲覧したい理由を伝え、アクセス許可を求めることができる(写真2)。子供からのコメントは電子メールで親に届く。「子供のインターネット利用をただ制限するのではなく、親子で話し合いながら積極的にインターネットを活用するためのソフト。親が知らないうちにオンライン上で好ましくない体験をしないように見守ることができる」(風間氏)。