書籍販売大手の米Borders Groupは現地時間2010年7月7日、電子書籍の販売事業を開始したと発表した。同社のオンライン販売サイト「Borders.com」に専用コーナーを設け、主にePub形式の電子書籍約150万タイトルをダウンロード販売する。2011年7月までに17%のシェア獲得を目指す。

 Borders Groupは、Windows(7/Vista/XP SP3)やMac OS X(10.5以降)に対応した電子書籍アプリケーションを無償配布しており、ユーザーはBorders.comで購入したコンテンツをこれらのアプリケーションを使って読める。

 これに先がけて、米Appleの「iPhone」「iPod touch」「iPad 」用のアプリを公開。同日からは、米Googleの「Android」端末やカナダResearch In Motion(RIM)の「BlackBerry」用のアプリも公開し始めた。

 ほかにも、カナダの電子書籍サービス企業Koboの「Kobo eReader」や、米Aluratekの「Libre」、ソニーの「Reader Touch Edition」を販売している。これらの電子書籍リーダー端末にコンテンツを転送することもできる。その場合は、3G(第3世代)携帯電話網や無線LAN(Wi-Fi)は使わず、パソコンとリーダー端末を有線でつなぎ、デスクトップアプリから同期する方法をとる。

 電子書籍販売のサービス基盤はKoboの技術を用いている。KoboはBorders Groupのほか、カナダの書店チェーンIndigo Books & Musicや、オーストラリアやニュージーランド、シンガポールで書店を運営するオーストラリアREDgroup Retailが出資する企業だ。自社ブランドのリーダー端末のほか、電子書籍サービスのインフラ技術を持つ。書籍コンテンツから、各端末向けアプリケーション、コンテンツ管理、配信基盤のサービスまでを一括して提供している。

 Borders Groupは,米国内で508のBorders店舗を抱えるほか、子会社のWaldenbooksが173のショッピングモール店舗を持っている。2001年にAmazon.comと提携してネット販売を展開していたが、2008年に提携を解消。その後は独自にオンライン事業を展開し、書籍のほか音楽CDやDVDなどを販売している。

[Borders Groupの発表資料]
[Koboの発表資料]