今回の手口で誘導されるとみられるWebサイト(英PC Proの情報を基に推測)
今回の手口で誘導されるとみられるWebサイト(英PC Proの情報を基に推測)
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 セキュリティ組織の米サンズ・インスティチュートは2010年7月6日、新手のネット詐欺が英国で確認されていることを伝えた。ユーザーに電話をかけて「ウイルスに感染している」と脅かし、駆除したければサポートサービスを契約するよう迫る。

 英国のPC専門誌「PC Pro」などの情報によれば、今回報告された手口は以下の通り。詐欺犯は標的としたユーザーに電話をかけ、「あなたのパソコンはウイルスに感染しています」と伝える。電話番号の入手方法については不明。

 そして、遠隔操作でウイルスを駆除するとして、あるWebサイトに置かれたリモートデスクトップツール(ほかのユーザーのパソコンを、インターネット経由で操作するためのソフトウエア)をインストールするよう伝える(図)。このWebサイトは、詐欺犯によって運営されている可能性が高い。

 ユーザーがリモートデスクトップツールをインストールすると、詐欺犯はそのパソコンにアクセス。調査の結果、多数のセキュリティ問題が見つかったとしてそのリストを示し、問題を解消したければ、あるサポートサービスを契約するよう促す。そして、料金を支払うためのWebサイトにユーザーを誘導する。

 サービス料金は1年間で185ポンド(1ポンド=133円として、2万4605円)。契約条項には、予告なくサービスを終了する場合があると記載されているという。

 サンズ・インスティチュートでは、ポップアップウインドウで表示される偽のウイルス警告は無視できるユーザーでも、実際に電話がかかってくればだまされる可能性が高いと指摘。Skypeのようなインターネット電話を使えばコストはそれほど掛からないので、同様の詐欺は今後も続くと予想する。

 加えて、こういった手口は技術的には防ぐことが難しいので、ユーザーのセキュリティ意識を高めることが何よりも重要だと結んでいる。