写真●IBM System x3690 X5
写真●IBM System x3690 X5
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 日本IBMは2010年7月7日、最大1Tバイトのメモリーを搭載できるx86サーバーの新版「IBM System x3690 X5」の販売を開始したと発表した(写真)。8月23日から出荷する。日本IBMによれば、CPUを2個搭載できる2ソケットのラックマウント型のx86サーバーで、1Tバイトのメモリーを搭載できるのは業界で初めてという。

 x3690 X5は2ソケット機で初めてハイエンド向けのx86サーバー機のアーキテクチャ「eX5(エックスファイブ)」を採用した。4ソケットのハイエンド機を使うユーザーからソケット数を落としても安く使いたいという要望があったことと、「x86サーバーはCPUの性能向上に対してメモリーの搭載量が追いつかず、CPUの性能を生かしきれていないという反省があった」(同社)からだ。IBMは2ソケット機をミッドレンジに位置づけているが、eX5を採用したx3690 X5はハイエンド機のエントリーモデルとなる。

 eX5の採用により、新機種は従来の2ソケット機である「System x3650 M3」と比べて約5倍に当たる1Tバイトのメモリーを搭載できるようになった。大容量のメモリーを生かせる用途として、仮想マシンを大量に動作させる仮想化サーバー機や高速処理が求められるデータベースサーバー機などを同社は挙げる。

 最小構成はインテルのXeonプロセッサーE7520(1.86GHz)1個と8Gバイトのメモリーを搭載し、ハードディスクを搭載しないモデルで、価格は85万円(税別)。最大4.8TバイトのSSDを搭載するデータベースサーバー専用モデルは240万円(同)から。