エフエム東京とクワトロメディアは2010年7月5日、福岡ユビキタス特区で実施されている「3セグメントマルチメディア放送実験」における放送波を利用したコンテンツ配信実験に機能を追加して、ユーザーが意識しなくても端末にコンテンツが自動的に配信される「自動蓄積型マルチメディア放送サービス」の実証実験を、7月7日に実験試験局上で開始すると発表した。

 2社は「九州放送機器展2010」(福岡国際センターで7月7~8日に開催)内の「福岡ユビキタス特区マルチメディア放送実験試験局」ブースにて、展示デモを行う。FM東京は7月2日に九州放送機器展2010の展示の概要について発表しており、今回、詳細な内容を明らかにした。

 今回の実験では、放送波を利用して動画や音楽、ゲーム、電子書籍など様々なデジタルコンテンツを端末へ自動的に蓄積する「蓄積型放送サービス」の技術検証を行う。これまでの実験はユーザーの操作によってファイルが蓄積されるものだったが、将来のマルチメディア放送での展開を想定し、番組に連動しない形の自動蓄積型機能を追加する。

 3セグメントマルチメディア放送実験は、2011年以降にアナログテレビが終了する跡地の周波数帯であるVHF-LOW帯を利用して全国で開始する「地方ブロック向けマルチメディア放送」の先行実験と位置付けられている。今回の蓄積型コンテンツダウンロードサービスは、この地方ブロック向けマルチメディア放送におけるサービスの一つとして検討されている。