情報通信審議会情報通信政策部会は2010年7月1日に第35回会合を開催した。今回の会合では、「地上デジタル放送推進に関する検討委員会」の主査である村井純氏(慶応義塾大学教授)が、地上デジタル放送の普及に向けた「第7次中間答申」の案を報告した。

 今回の中間答申案には、地上アナログ放送が通常放送からアナログ放送終了を告知するための放送に移行する時期(2011年7月1日の予定)について、「周知徹底が図られるよう、取り組むべきである」という項目が盛り込まれた。検討委員会では、「地上アナログ放送終了の告知の仕方を見直すべき」という意見が出ており、これを反映する形になった(関連記事へ)。

 低所得者のための取り組みでは、現在の支援対象である日本放送協会(NHK)の受信料全額免除世帯に加えて、それ以外の世帯を対象にした支援を検討することを明記した。世帯年収200万円未満の層における地上デジタル放送受信機の世帯普及率は、全体平均を大幅に下回っている。支援強化によって、地上デジタル放送受信機のさらなる普及を目指す。

 地上アナログ放送放送終了に向けた取り組みに関しては、作業を終える時期を明記したものが少なくない。例えば、地デジコールセンターや総務省テレビ受信者支援センター(デジサポ)の項目では、「対応人員や電話の回線数をできるだけ早く(遅くとも2011年6月までに)抜本的に拡充」とした。このほかに、市町村単位の規模の生活に身近な場所に「臨時相談コーナー」を設置する時期は「2011年7月前後」とした。

 電気通信役務利用放送事業者による地上デジタル放送のIP再送信については、「実施に関するロードマップを2010年中に公開すべき」とした。これまでは「国はロードマップの公表を電気通信役務利用放送事業者に働きかける」という表現にとどめていたが、今回の答申案では期限を明記した。