以上、三つのテスト動画を紹介した。総括すると、最新のハイビジョン対応のビデオカメラやデジカメの代わりを務めるレベルの動画性能を、iPhone 4は備えていると言えよう。少なくとも、裏面照射型CMOSを搭載しない低価格ビデオカメラよりは画質面で期待できる。最近、ハイビジョンをうたう低価格で小型のビデオカメラが続々登場しているが、iPhone 4を持っているなら、購入するメリットは薄いかもしれない。

 もちろん、ビデオカメラやデジカメは、画質だけでなく、使い勝手やホワイトバランスなどを細かく設定変更できることも重要で、なんでもかんでもiPhone 4で満足のいく動画が撮影できるわけではない。ただ、実験を終えた筆者の感想は、「iPhone 4さえあれば、わざわざビデオカメラやデジカメを持ち運ばなくても、日常のさまざまなシーンの撮影は事足りるのではないか」というものだ。

 実際、早くもインターネット上には、iPhone 4だけで撮影し、iPhone 4専用の動画編集ソフト「iMovie」で編集した短編映画が公開され、話題を呼んでいる。また、iPhoneだけで撮影したショートムービーを対象としたコンテンスト「iPhone 3分映画祭」が有志によって企画され、応募を受け付けるなどの現象も起こっている。これまで、動画を撮影し、これをパソコンで編集する作業は、なかなか骨が折れる作業だった。iPhone 4の登場により、その敷居はぐんと下がることになりそうである。

有志によって、iPhoneだけで撮影したショートムービーを対象とした「iPhone 3分映画祭」も企画されている。8月中まで応募を受け付ける。iPhone 4ユーザーなら、腕試しに応募してみてはいかがだろうか
有志によって、iPhoneだけで撮影したショートムービーを対象とした「iPhone 3分映画祭」も企画されている。8月中まで応募を受け付ける。iPhone 4ユーザーなら、腕試しに応募してみてはいかがだろうか
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